お勉強ついでに

 お勉強ついでに。

 ちょっと前の田舎新聞。共同配信だべ。


「『親の年収高いほど高学力。小6調査、最大で23ポイント差』
 昨年実施した全国学力テストの公立小6年生の結果について追加調査した文部科学省の専門家会議は4日、保護者の年収が高い世帯ほど子どもの学力が高いとする調査結果を報告した。年収1200万円以上では国語、算数とも正答率が平均より8〜10ポイント高く、200万円未満は逆に10ポイント以上低かった。所得の高低により算数(B問題)で最大23ポイントの差が開いた。
 …公教育をめぐり低所得者の支援があらためて課題になりそうだ。
 …学校外の教育費支出を調べたところ「月に5万円以上」は、算数Bの正答率が71・2%だったが、「支出なし」は44・4%で26・8ポイントの差。専門家会議は「年収が高いほど塾など子どもの教育費に投資するため、差が生じた」と分析している。
 国語Bは平均正答率が55・5%で、700万円以上の世帯は平均以上だった。基礎知識を見る国語、算数のA問題でも年収と成績は同様の傾向。
 正答率が高かった子の家庭はニュースや新聞記事を話題にしたり、親が言わなくても子どもが自分で勉強したりする傾向が強いことも分かった。」


 昔ゃ、大工百姓のおっちゃんは「へぇ、ご優秀ですなあ、お宅の坊ちゃん」とか何んとか言ってケロッとしてた。暗黙、無意識に思うんだべ。坊ちゃん塾の間、うちのガキゃ他のことやってる。比べる話じゃそもそもねえぐらいに。

 おいら、はな垂れ小僧の頃。たまに来る都会の坊ちゃん嬢ちゃんは、賢かった。あの山なんて山? この草なんて草? 理科も国語も強くなるべ。ぼ〜っとしてねえで、括弧で早く囲うこと。お勉強の極意。

 家で親が社会時評。こましゃくれたガキになるって方が実感。こましゃくれた? 諸々の伸び、そこで停止ってこと。括弧で括っちまうんだからね。自意識の合作。親と子の。殻壊すの一苦労だぜ、ガキは。青春期、その気になりゃあの話だけど。

 差別は突然やってくる。勝手にある日向こうから。括弧の世界から。君は、あなたは××なんだね。はな垂らして蝶ちょ追っかけてたガキの実感。

 「私を蔑む者がいる間、私は生き甲斐があると思った(吉本隆明)」。山の手かどっかの親戚女が、町家住まいのはな垂れ小僧小馬鹿にした日の回想。

 今の時代の悲喜劇は、大工百姓も「うちの子は馬鹿」。言われりゃ信じちまうこと。

 ぶち壊さなきゃ未来はねえさ。おクニに。それより何より、一人ひとりの人生に。


(追伸)
 要注意だぜ、「言わなくてもお勉強」のガキは。小学中学ぐらいで。