諸悪の根源、科挙学歴・サラリーマン社会

 俺は学問ってのは馬鹿にしねえ。

 夜学出たおばさんが昔言ったが、ある時期、人は砂が水吸い込むように知識を吸収することがある。

 俺は人ってのも馬鹿にしねえ。それぞれの人生。

 環境のなか多少歪んでも、偏見のたぐいあっても、そいつなりの流れの中で生きてる奴、生きた奴。これは信じるに足る。関わりようがあるってこと。

 人でも学問でも信じるに足りねえのは、空中楼閣、虚構の上に築かれたもの。生身の人生、感性、経験の上に築かれてねえもの。

 ニッポンという国と社会じゃ、この手の空中楼閣がむしろ普通、実体、主流。それが学校、サラリーマン社会ってば分かりやすい。

 学問でも人でも、夢中で生きる中でふっとのどが渇いた時、気持ちが飢えたその時に出くわす中に真っ当なものは見つかる。そいつにとっての。気ぃつけねえと詐欺師もいるが、それはそれ。

 学問ってのは、史上の人物含めた人との真っ当な出会いってのはそういうもんだと俺は思ってる。こいつを妨げるのが、妨げるだけじゃねえ、真っ当な経験感性を貶め続け、虚構の既得権益守るのが、三歩下がって師の影踏まず、君君ならずとも臣臣たれの朱子学由来の学校制度、それに載っかった科挙学歴最優先、旦那面上司面・既得権益最優先のサラリーマン社会だ。

 (時間切れ。続く)