人はどこまで公正か

共和制の魂‏@inakanoaoisora3分
オリバー・ストーンのドキュメンタリー。「第二次大戦の勝利をアメリカによるものとする説が我が国で主流だが、それはソ連の人々によってもたらされた」。ソ連民衆の膨大な犠牲と東部戦線600万、西部戦線100万のドイツ軍戦死者を示しながら

共産主義への勝手な怖れと被害者意識。これが冷戦構造を生み、その後の『テロとの闘い』の幻想を生んだ。これは今も進行中だ」。これがオリバー・ストーンの考え方の骨子だろう

オリバー・ストーンルーズベルトとヘンリー・A・ウォレスを理想化している面はあるが、良いのはウォレスの理念を軸にアメリカ史を捉えなおすマクロな視点(「もう一つのアメリカ史」)を、ドキュメンタリーとして提示している点だ

マクロな視点。それは知識の豊富さというより、人間への視線から生まれる。それをストーンは示している。邪悪な存在として他者(共産主義者等)を見る戦後の国家、アメリカへのアンチテーゼ

アンチテーゼというよりジンテーゼを含む。人間、とりわけ民衆は類的存在(どこの人々も一緒)。大事なのは恐怖や憎悪では無く共感。このことをストーンは言っている。その感性と理念をルーズベルトやウォレスに託したのだろう