家庭のあったか味と大阪

 大阪の家庭のあったか味を、娘はどっか感じてるらしい。


 こいつは確かにあると、俺は思う。


 あんまりサンプルあるわけじゃねえが、大阪の女の子ってのは案外身持ち堅てえってのが、俺の印象だ。これは多分、古臭さの臭いもする大阪人の家庭のせいじゃねえかと思う。


 古臭せえと言ったが、あったかさがもたらす団結のせいかも知れねえなと、勝手に思う。あんまりサンプルあるわけじゃねえが。大阪と言っても旧市内。その流れ汲む地の者達の家庭。


 家庭ってのは保守さ。根拠ある保守だ。守るもんあるからね。へんてこりんな「先進性」や「もの分かり」になびきゃ、半端な田舎や都会にまん延の崩壊家族になるに決まってる。


 上っ面の流行(社会的価値)に侵されねえ家庭。


 人民の海の核心は、この手がもたらすあったかさだ。こいつは俺の確信、実感だ。家庭は中核。守るべきはあったかさ。どんな手使っても。


 人民の海に入れってのは、これさ。娘がこの先どうするか、俺にゃ分からねえが。


 下の子が伴侶に求めたのも、これだろ。よくは知らねえ俺の気持ちは、そうなってほしいの範囲出ねえが。


 何はともあれ、雪国育ちの嫁さんのお陰さ。雪国にもいろいろいるから、大雑把なくくりだが。


 社会の価値に兄弟わが子売り渡す(見栄体裁ってば分かりやすいだろ)、今じゃどこにも蔓延の俺の田舎のメンタリティーじゃ絶対にねえな。