説教臭せえ話だが

 説教臭せえ話だが、一生懸命生きるってのは大事だ。


 一生懸命。無我夢中。こん中でつかむもんが本物だ。面白うて、やがて悲しき―に終わっても。


 しばらく経てば気付くだろ。人生に、気持ちの中に残るのは、この感触だけ。


 大衆ってのは、労働者ってのは、この手の実感の塊さ。感性のもんだ。青年マルクスも予感した。だから「疎外」の言葉も生んだ。


 この手の感性・生き方にゃ必ず敵対するさ。構造は、既成なるもんは。


 そんなもんは結果のもん。そん時ゃそん時で無我夢中。度胸・勇気もここから。アタマでうだうだ思わんでも、体が教えてくれる。どっち行け。こっち行け。


 この手の者が集まりゃ、世の中ちっとはましになる。集まらなくたって、ましにならなくたってやるってのがほんまもん。まるで自分の話なんだからね。