雪国親父と自立

 先日の日本武ついでに一席。

 イエに体よく利用されかけて、一気に自立に突っ走ったのは、土建屋宰相雪国親父。

 トーダイ銀時計福田と土建屋田中、どっちにするか。禅譲ねらいの長州閥エリート佐藤栄作は、ある時口すべらしたとか。「角なんか、誰が総理に…」。漏れ聞いた雪国親父、一気に燃え上がり、自力で宰相手に入れたと。

 土建屋親父の周りにゃ作文上手いたから、どこまでほんとか知る術はねえ。アウトラインは正しいだろ。

 雪国親父自身、確か言ってた。かの父っちゃん坊や宰相の爺さん、吉田何んやらはある時、車夫馬丁あがり同然の陣笠議員に、何んかの掛け軸見せながら言った。「俺がこれ持ってりゃ本物だが、角、おめえが持ってりゃまがいもんさ。ふぇっ、へっ、へっ」。食えねえ爺さんだったよと、親父自身回想してた。

 なのでロッキードで吊るし上げられたってのは、おおまかにゃ当たってると思ってる。あうん・暗黙の了解のこの国の「知性」のやり口。庶民なるもんにも染み込んだ精神土壌。右左リベラル関係無し。ルーツは明治のピラミッド。もっと遡りゃ、奉り・献身イコール御身安泰の既得権、公家武士階級の感性と意識。

 革命ってんなら、これぶっ壊すことさ。制度と、日々の暮らしの血肉に染み付いた性根と。


(付記)
 分かるべ? 刀、自分に向けろって意味。