頭ん中が活字

 頭ん中が活字。これほど情けねえもんはねえ。

 経験というもんが存在しねえからだ。自前の。

 センセイと名の付くもんにゃ、相当いる。ていうかほとんど。棺おけに足突っ込むまで性根は続く。都会なんかにもいる。腐るほど。

 こういう自分ぶっ壊すのはしんどい。大恥何度も何度もかかなきゃ、大概壊れねえからだ。自前の経験の初めは恥だ。

 恥を恥とも思わなくなる―て言うか、恥なるもんを恐れるてめえの性根根こそぎぶっ壊す頃に、頭ん中が活字も終わる。あかの他人製の観念の支配が。
 その頃にゃ、反発反抗反体制の小児病も治まるべ。軸がはっきりするからだ。自分の。

 他人の周りうろついてワイワイの性根ほど、ゲスなもんはねえ。かつての社会党労働組合学生運動、抵抗だの反抗だののゲージュツ…。キョーサン党? 存在したのは箱物だけ。観念の。 

 この種の屑の名残が、かつての帝国の影に過ぎねえ金玉無男達が、ダニの右翼、国家命の虚妄の名残と共に消えてなくなる時、並立自立の共和は可能になるだろう。