分断されねえ魂

 分断されねえ魂。こいつは大事だ。

 ぼ〜っとした景色から浮かび出る田舎者。分断されねえ魂。

 山崎ハコの歌にゃそれがある。ハコは確かに続けたべ。出し抜かれやすい田舎者。

 田舎者は馬鹿だから、利口ぶりたくて都会人になる。馬鹿と見られるのを怖れて、出し抜かれるのが恐くて、感じることなく聞きかじり。自分で勝手に心分断。なれの果てが東京。空っぽの田舎もんの塊。故郷なる心の暗がり正視できずに誘蛾灯へ。振り返って嘲笑。暗がりに立つ歌い手を。

 利口ぶるのやめりゃ、出し抜かれるの怖れなきゃ、浮かんで来るまで感じるまで待つ度胸忍耐ありゃ、どこに住んだって持てるさ。分断されねえ魂。ドブ川見たって感じるさ。人の魂。人の情。

 People talking without speaking
 People hearing without listening

 利口ぶって、先を急いで、出し抜かれるのを怖れて、待ち切れねえでやり取りする者達を嘲笑った歌。どこだって一緒。

 and the people bowed and prayed
 to the neon god they made

 風俗から政治に到るまで、先進面して出来合い追うぱ〜達を嘲笑する歌詞さ。

 分断されねえ魂の通い合い、連帯。こいつは可能さ。相手がどこの国の、どの民族の者だろうが。腹据えて聴きゃいいのだ。人の話を。ヘンなもん祀り上げるなきゃいいのだ。自然装う人工物等々。


 共鳴共感、義理人情、人の並立、人民民主の共和制万歳。一人ひとりに根ざしたインターナショナリズム万歳。