最善の思想

 深く心を耕すもの。

 鋤鍬となるもの。

 それが最善の思想だ。

 それは指示はしねえ。

 想起さすだけ。そのもの自体を。

 海より深い沈黙。魂の根を。

 たとえるならば、親の背中と人が言うもの。反省込めて。



 (付記)

 1945〜60年代、吉本隆明が言った生活者。それはこれだった。インテリ達が軽蔑を込めて言った、土着派の思想。

 俺は今、はっきりと思う。吉本はそれを貫きゃ良かっただけ。

 インテリ達へのアンチテーゼの心性が、彼を貶めた。