民主主義の神髄

 民主主義の神髄はと問われれば、個人は国家に先立つ。これに尽きる。

 社会には当然力関係が働くから、抑圧されたりやりたくないことをやらされたり、笑いたくない時に笑わされたり等々は起きる。生きるために。

 だがどんなにきつい時でも、小声で、または腹の中でつぶやく。個人は国家に先立つ。これは大事だ。

 個人は組織に先立つ。これも同じ意味で捉えていい。不公正を働く組織を内部告発する権利の源も、ここにある。

 日本は民主主義国ではない。これもこの神髄に照らせば明白だと、経験的に俺は感じている。国家が、組織がどうのという以前に人間の性根が。

 これが変わらないことにはどうにもならないと、俺は思っている。

 その意味で、今度の原発事故はいい機会なのだ。自分の本質を見つめ、見極めるための。

 革命や改革は、この種の内的変革を伴わないと意味はない。入れ物が変わるだけの堂々巡りを繰り返す。

 ルネッサンス宗教改革などは、この意味で好事例だったと俺は思っている。

 キリスト教世界だから出来たとか、日本的、アジア的社会にはそぐわないなどとしたり顔で言うものはいる。だがこれは宗教や習俗の問題ではない、地上に生きる人間共通の課題だと俺は思っている。