疲れちまうと嫌なとこ出る。

 「よい子」がうずくのだ。見た目気になる。人言ったこと気になる。


 こいつはちと治らねえなと思ってる。寝るしかねえのだ。ぼ〜っとしてるしかねえのだ。甘いもんでも食って。思わねえでほっとくだけ。見栄体裁の自分なんぞ。疲れ飛んで、あほかいなとなるまで。


 古傷は治らねえ。ガキの頃、焼印されちまった古傷は。三島もそう言って死んだ。くたびれ果てるまで七転八倒するから、首ちょんぎりたくなるのだ。


 自殺なんて、たいていそんなもんだろ。自意識(見てくれ)肥大の自分。虚ろな自分。虚無が自分絞め殺す。こいつ避けるにゃ、自分愛しくてしょうがねえってまで、寝てるしかねえ。どんな手ぇ使っても。登校拒否でいいのだ。


 この手の病気きつくなるかどうかは、親の育て方一つだと思ってる。子の自分、親の自分振り返って。


 刷り込まれたもんの完治なんて無理。軽減はできるさ。自分突きっ放して。殻かぶった自分、でっち上げ二次製品の自分を。知性なんて、哲学思想なんて、そのための技法だろ。元々。宗教だって根っこはそうだろ。真っ当なもんなら。


 革命が「自分」との否応ねえ闘争だってのは、否応無しの自己否定だってのは、いつの時代も一緒だろと思ってる。