BBCとかが作った、アウシュビッツの話見た。


 ここのドキュメンタリーってのは、科学ものもそうだけど、関心の根源、素直にたどるとこがある。ほんわか装う共同幻想、叙情等々でちょろまかさねえで。サラリーマンの限界って個所も、思考停止で避けたりしねえで、事の核心臭わす手法取ったりする。やっぱり王立ってとこも、臭うけど。


 良心ってば良心だが、、それやらねえと、一つの世界まとまらねえからじゃねえかな。作者の世界、そいつの世界ってのはある。どんなちっぽけなもんでも。そんなもんだべ。作るってのは。


 へえと思ったのは、何度も見た収容所の話じゃなく、虐殺生き残った者の話。「故郷へ帰ったら、家にゃ見知らぬ他人住んでた。邪魔者扱いされただけ」。「ある年、懐かしくて訪ねたら『お前がわざわざ帰った訳、分かってる。金隠してあるんだろ』。数年後また行ったら、家はボロボロの廃墟。俺が行った数日後、住人は家捜しのあげく、壊れて住めなくなって出てったと」。後の話は出来すぎの臭いもしたが、そんなもんだべ。ヒトの現実。「ゼニの亡者」民族への偏見等々含め。


 そういや散々俺も出くわしたなと、見てて思った。組織おん出て「転落」したあと。親兄弟親戚共の扱いetc.含めて。他人言うに及ばずの現在進行形話。差別や迫害ってのは、見栄体裁や欲望と結んだ観念・思い込み・偏見、アタマの悪さ等々と、根深く結び付いてる。差別してえのさ。わざわざ寄り付いてでも。

 ニンゲンってのはそんなもんだ。悪りいけど、そんなもんだ。どこまで行っても。俺は俺のこと言ったまでさ。同じ煮え湯、たいてい飲んでるべ? ちょびっと外れてみりゃ。ニワトリ小屋からつつき出される、弱ったニワトリ。ガス室送りだってあるさ。行き着く先ゃ。


 こういうもん、淡々と流すドキュメンタリー。上手っちゃ上手さ。一枚、二枚。


 こいつがヒトの始まりと、俺は思ってる。じゃあそっから先、どうすんべ? てめえで考え、感じるしかねえさ。一つはっきり言えるのは、逃げ込む聖地なんざ作る奴は、糞だ。今時。毛唐だろうがニッポン野郎だろうが。