「母ちゃんも、学校行ってりゃね…」


 親が残した拙い短歌見て、言った嫁さん。


 言うに言われぬ思い抱えて死んだ、無数の者達。


 この代弁。根源たどり少しでも。それが歴史、人物伝。いつか俺は、そう感じるようになってた。「人は人。そんなことできるわけねえさ」。したり顔。人生死ぬまで斜に構え、その実人に、娑婆にたかるだけの外れ野郎共。こいつらが鼻で笑っても。


 ある時俺は、ぴたりと止めた。もういい。てめえのこと、自分のことしゃべれや。


 共鳴の気持ち、捨てたわけじゃなかったさ。共鳴する主体。そのもの自体表すべ。


 すけべ根性、捨てなきゃできねえ。自分に徹しなきゃ、孤独のトンネル掘りに徹しなきゃ、できねえ。


 やるしかねえさ。今現在。手習いじゃねえからな。人生。


 体当たり。この一言しか、いつまで経っても思い浮かばねえ。体当たりの繰り返し。反省の繰り返し。