本でも人でも、見上げた所から関わり始めると、ロクなことはねえ。見下げた所からでも一緒。どっちもアタマがやることだからね。


 誰でも普通の生身の人。このスタンスで関わるのが、一番いいさ。ほんとはね。


 等身大と口じゃ言うが、こいつは案外難しい。捨てるもん捨てねえと、できねえからだ。


 昔の職場に、反体制気取りの一団がいた。昔ゃどこにも、結構いたろ。「知的」等々の勘違い仕事にゃ。


 こういう奴らの得意技は、貼ったレッテル以上にゃ、相手に踏み込んで来ねえことだった。
保身のための「淡い」付き合い。仕事はほんとは、そこまで甘くねえ。甘くねえが、押し通す。徒党で。
 何のことはねえ。組織社会、学歴社会の住人ってだけ。右も左も市民面も、同様に人絞め殺す。この手合いは。ヒュブリス(傲慢)ってんなら、この精神構造がヒュブリス。


 昔、サラリーマン社会おん出る時。「辞めるのなんか、誰でもできる」。脱落者に贈る言葉だったね。
 東京人だっけ。口に出してわざわざ言ってくれたのは。坊ちゃん大学出。いつでも誰でもできること、一生しねえまんま歳食ったろ。


 無化なんて、ご大層な思想話でも何でもねえ。娑婆の最低限の仁義さ。何やるにしても。ほんとはね。