オバマが勝ったのは良かった。


 宗教の壁は越えられると言ってた。人間は一人ひとりが大事だとも、言ってたね。


 God Bless Americaの中で、この手のヒューマニズム、普遍主義は微々たるもんだろう。自国の労働者の暮らしを守るために、この国にとっちゃ「損」な政策も採るだろうし、アフガンに付いちゃブッシュ並みか、それ以上の無理難題言ってくる可能性もある。


 それでも、この種の損得は上っ面の上部構造。そうするだけの潜在力は、あるだろうと思う。オバマの中にも、支持した民衆の中にも。共鳴したアメリカ以外の国の民衆の中にも。


 損得と執拗に癒着した、権威戴く縦社会。統治の仕組みとしての国家。この発想しか持たねえこの国の政治家達は、相も変わらず損得だけを腹に込め、彼の国の指示に唯々諾々従うだろう。そして内にあっては上意下達、「同盟国」へのゴマすり政策を強行するだろう。自国の軍備強化や統治固めに、狡猾に利用しながら。「理念理想はどうでもいい。頭下げてモノさえ売れりゃ。今に見てろ」。これが統治の政治家共の腹ん中。6000万円抱えて退職する、「侵略国家はぬれぎぬ」男のごとく。


 縦社会(虚構)の意識に、くだらねえ被害者意識の「臥薪嘗胆」に、たぶらかされねえことだ。そして自ら示すことだ。真の仲間、同胞ってのはどういうもんかを。一人ひとりの意識に立って。


 俺は、戦後憲法は駄目だと思ってる。半端という点で。だが根底にあるものは信じるに足ると思ってる。信じるに足るもの。これを提示したのは、アメリカだろうが何だろうが、一向に構わねえと思ってる。人種、宗教を超えた、魂の大事さ。一人ひとりの大事さ。そこでの共感の大事さ。このことの提示に、アメリカも糞もねえからだ。