構造の外へ

 構造の外へ。


 フォーマットの外へってことさ。この国に永年敷き詰められたところのね。


 自分に立ち返れってことさ。自分の言葉で、自分の感性で生きろ。


 これ総て、フォーマットの外じゃなきゃ無理。


 この国じゃ、言葉はインテリ手製、文人なる者達手製。これ総て、フォーマットの飼い犬。絵画、彫刻のたぐいの芸術家ですら。


 根底は金のため。目先の。見栄体裁体面のため。小手先人生の。それが「大人」の生き方と勘違いする。勘違いした振りする。損得利害と根深く結んだ、封建武士・公家・官僚・宦官製。この国の「自然」なる国体フォーマット。しっかり今も生きてるぜ。


 フォーマットの外へ。真っ当に暮らせってことさ。自分のため、嫁さんのため、家族のため。


 生活という人生のるつぼ。その中で生まれる感性が本物さ。そこで生まれる言葉が本物さ。体当たりでつかむ本物。自分自身の。社会や社会的価値なるもの。こいつらとの馴れ合いじゃねえところの。


 共感の本質は自前の感性だ。この感性の共鳴だ。こいつが共和制の本質だ。難しい話じゃねえさ。真っ当に暮らせってことさ。上っ面の観念で人も自分も見上げねえで、見下さねえで。