部分と全体 ―Nikonの誤解―

 先日買ったNikonのデジカメ一眼レフは、機嫌良う働いてる。


 当初はオートフォーカスの反応が悪くて、ちと心配したが、なぜか直った。再発するなら、保険の利くうちに再発してくれ。


 使っていて、どうかと思う基本事項に気付いた。―ってよりも、はっきり言って欠陥。


 それは液晶ビュアーに、これから撮る被写体が映らないこと。撮ったものは再生するけど。


 一番安物の一眼レフだから―、ってことではないだろう。多分。


 どんなバカチョンデジカメだって、今時はそうなってるんだからね。


 これは、職人気質が陥りがちな誤解の産物じゃねえかなって気がどうにもする。そうじゃなきゃ、ほんとただの欠陥カメラ。


 誤解? それは「被写体はしっかりとファインダーで見るもんだ」。


 据えもの斬りならそれでいいだろけど、動きあるもん撮る時きゃ、こいつは案外当たらねえ。


 ファインダーは確認程度。両目しっかり見開いて、現場(全体)見ながら撮るってのが基本だから。ニュース写真等々、片目つぶってファインダー見てる奴は、ど素人と思って間違いねえ。


 なに起こるか分からねえ現場じゃ、ファインダーだけに集中するのは自殺行為ってのは、分かりやすい話だべ?


 もう一つ大事なのは、シャッターチャンスの問題だ。一つ所で起きてる出来事も、全体の流れの中の事象。全体見ながら(感じながら)部分見るって方が、シャッターチャンスは絶対いい。当たり前だけどね。


 慣れるにゃ、案外時間は要る。昔は、ピントや露出気にしながらだから大変だったけど、今は案外楽にできるべ。


 これには、液晶ビュアーは最適だ。カメラ前に突き出し、全体見ながらビュアー見る。人撮る時なんか、特にいい。こっちもカメラで顔隠さずに撮るので、相手も和んでいい表情することがある。


 Nikonの一眼レフはこれが出来ない。ファインダー見ると、ボディが邪魔して嫌でも視野は狭まる。相手も、こっちの顔は見えない。


 シャッターチャンスも、相手の表情引き出すのも、バカチョン系の時より確実に低下した気がする。ハイアングル、ローアングルなんかも、当然やりにくい。ファインダーじゃ、カメラに顔くっ付けなきゃいけないからね。


 高い機種、最新の機種はどうなってるのか知らねえが、とにかくやりにくい。全体的にゃ気に入って、機嫌よう使ってるけど。「いいおもちゃ買ったね」なんて、嫁さんに言われつつ。