鳩は悪くねえさ

 俺が十歳、田舎もんの飢鬼の頃。十年後は俺の番と思った。六十年安保。

 七十年。はらわた煮えくり返る怒り、同胞愛は消えていた。あったのはアタマでっかち小児病、都会人仕様、知性装う飢鬼の反抗。

 九十五年だったか。田舎高校の資料ひっくり返してて見つけた。七十年の生徒の論文。「安保はアメリカとの経済関係で必要」。

 こんなこたぁ死んでも書かなかったべな。六十年。

 これがこの国伝来の「賢さ」。アタマで合理化、根無し草。

 ほんとに大事なのは、掘り下げることだったさ。怒りの根拠。共鳴共感、同胞愛。殺されてった者達への。

 ここから行き着かなきゃ絶対駄目さ。人民民主。インターナショナリズム

 アタマでっかちグローバリズムじゃ駄目ってこと。アタマで、銭金で合理化しちゃうからね、何んでも。

 俺の生活実感。世の中99%金。

 だが、でも、残り1%。こいつが無きゃ、暮らしは家族は絶対に成り立たねえ。社会そのものが存続しねえってこと。

 体に必須の微量金属。意気に感じる人民魂、怒りと同胞愛。こいつ掘り下げなきゃいけかったって話。

 坊ちゃん鳩山は悪くねえ。坊ちゃんなりの誠意はある。悪りいのはアタマでっかち糞マスコミ。目先の銭話になびく腐れ「庶民」。

 「沖縄人民これ以上苦しめられねえ」の、無手勝流の心情からでいいさ。そこに必ず芽はあるはずだ。真っ当な解決の。上っ面、在りもの、既得権・経済原理だけじゃねえところの。支配者アメリカの言いなりじゃねえところの。

 人民民主。人民同士のほんまもんの連帯、一人ひとりのインターナショナリズム。真っ当な感性の延長上じゃなきゃ、こいつは絶対に成り立たねえ。