男らしさの本質

 男らしさの本質。

 これを言うとどこか胡散臭かったり女が眉ひそめたりするのは、封建体質と結託した上げ底九州男児のように、この手の言辞が永年、男の利権(財産権の継承etc.)と結び付いて来たからだ。

 だが男ならこいつについちゃ、徹底して考える必要があると俺は思ってる。男の属性ってのは確かにあるからだ。女の属性ってのが確かにあるように。

 今朝は忙しいからこれ以上は言わねえ。

 ひとつヒントになるのは、九州男児とは対極のなよなよ男・太宰治の言。「男の本質は優しさだよ」。

 太宰は、家と利権に支えられた「男らしさ」のアンチテーゼで生きた男だ。今思や、ずい分不徹底だった気はするが。

 なよなよで優しくて、なおかつ女子供を養う。養ってなおかつ威張らねえ。威張る根拠を全面否定する。全面否定は太宰的優しさ=強さの根拠。

 こいつをどう徹底させるかってのはある。半端なとこで自殺なんかしちゃいけねえ。イエに生まれ、背負った害悪ばら撒いたまま。女が仕掛けた無理心中だったとしても。