頭で先取りするな

 明治維新なるものから三十年。

 近代を装う国家と社会は、未来を頭で先取りする者達によって形成された。

 本当の自分は無い、がらんどうの心の封建官僚の焼き直し達。じっくり自分を形成することを棄て、追随した者達。

 人間が、人間達の社会が一朝一夕で出来るわけはないのだが。

 そのツケを、かつての小国民の末裔達はたっぷりと払っている。仕事、人付き合いから家庭、子育てに至るまで。

 張りぼて・空っぽな心は、人との真っ当な関係は結べない。家庭の中だろうが外だろうが。国の中だろうが外だろうが。

 同んなじことを繰り返そうというのか。即席の未来を頭で描いて。

 やめることだ。自分の心臓の鼓動で生きることだ。知ったかぶりの処方箋なんか出さずに。すがらずに。


 共鳴共感、義理人情、人の並立、人民民主の共和制万歳。一人ひとりに根を置くインターナショナリズム万歳。