奴隷社会の解体

 コネ、ツテ、閨閥科挙学歴仕様の縦社会。それがこの国だ。

 虚構で成り立つ奴隷制社会。こう言い換えてもいい。

 これを実感しないとすればあんたは、その利権の上に無自覚に寝そべっているか、檻の中で眠りこけているかのいずれか。

 怠惰と惰性。創造とは無縁の人生ということ。

 創造力。それは、前を向いて生きる者に嫌でも伴う属性だ。本来誰にも備わるところの、根源的生命力でもある。

 権威(今風には資格の御墨付きも)が隠れ蓑の利権の縦社会。その維持は、人の創造力を挫くことにある。

 まともに生きる者、まともに汗を流す者なら、この種の仕組みの抑圧は何度でも、幾つになっても経験出来る。

 抑圧者・弾圧者は、向こうから勝手に寄り着いてきて行く手を塞ぐ。無能な者達も、この種のことは上手だ。自分の損得、目先の損得。これに関わることは。

 官僚制社会の打倒。人々がこれを願うのは真っ当だ。

 だが官僚制。それは民を装う組織にも、人の心にも根深くはびこっている。

 この社会を真に改革することの難しさは、ここにある。

 人々は縦社会の餌を前に、いとも簡単に転ぶ。そして眠りこける。創造力も想像力も捨てて。

 受け身の人生。受け身を装う人生。これが真骨頂なのだ。奴隷制縦社会の処世。

 これを決め込んだ者達にいくら呼びかけても、それは無駄。彼らは出ない、永遠に。虚構の豚舎を。豚舎ある限り。

 人に出来ること。それは自分が転ばないこと。

 どうすれば?

 簡単なことだ。作り出すこと、見つけること、永遠に。精神であれ物質であれ、新たなものを。

 この魂は抵抗権を持つ。破壊権を持つ。腐った仕組みを新規のものにするために。

 マクロの夢を、構想力を持つことだ。どんなミクロの人生でも。人生に、人としての生命力に根ざした―。

 俺においてはこれ。毎度お馴染みのスローガン。

 「共鳴共感、人はそれぞれ、人は並立、人は誰でも創造主の共和制へ。一人ひとりに根を置くインターナショナリズムへ。」

 マクロ(社会・政治機構)はすべて、これに根ざして構築できる。

 なぜならそれは、ミクロ(人間一人ひとり)の生命力に根ざしているからだ。人類存続の原動力の。