乗せられねえことだ
学校万歳を唱えていれば、裏で何をやっても構わねえ―。
チンピラ学園国家の応援団長の顔を隠すことも無くなった橋下を支持するのは、いわゆる就職氷河期で割を食った世代が中心と、どこかに書いてあった。
この種の世代の者が一番望むのはガラガラポン、破壊だというのはよく分かる。
周りは既得権だけ。まるで浮かばれない。どんなに汗水たらそうが真面目に働こうが。
言われたこと以上のことをやっていれば、人はニコニコする。当たり前だ。
だが一旦正論を吐けば、権利を主張すれば徹底的に叩かれて、陰湿に、または公然と排除される。議論以前に。交渉以前に。
この種の搾取の仕組み、奴隷の仕組みが世に蔓延しているのは、フリーター歴30数年の俺にはよく分かる。骨身に沁みて。
だがね。壊れりゃいいってもんじゃないぜ。
人そのものを殺し尽くさない限り、アミーバのごとく再生する。既製品の特権社会、既得権社会は。
破壊を望んで一票を投じるあんたは小間使い、先兵に使われるだけ。使い捨てのごみクズとして。
手にできるのはいっ時の溜飲、快適だけなのだ。地獄に蹴落とされる寸前の。
人間社会には、永劫不変に変わらぬ磁場というものがある。損得打算が基本原理の地場が。
またぞろここに行き着くだけ。あなた任せ、後は野となれの破壊は。冷静狡猾にソロバンをはじく奴は、ちゃんといるからね。地獄の業火の中でも。
踏んだり蹴ったりが嫌ならば、やることは一つ。自分に根ざした自前の生き方、世界観を持つことだ。どんなにしんどい人生の中でも。自閉症的世界観では無い、社会原理や制度として公然と主張できるだけのものを。
内的摂理を見つけるということ。先ずは。自分自身の。
本当に自分を掘れば、世界(他者)に通じるよ。この種のワームホールは本来、誰にもある。
真っ当に働くということ。汗水たらして。頭でごちゃごちゃこね回さずに。
それは一見、奴隷労働に見える。事実、見えるだろう。口先先行、アタマ先行の者達には。もっともらしく政治を批判する者達、社会を批判する者達は、ほとんど総てこのたぐいと言っていい。
この種の者達は現実の汗の中では、蜘蛛の子を散らすように居なくなる。こいつは俺が、何度も何度も出くわした実体験だ。
この種の馬鹿のトンネルをくぐり抜けた時、あんたは出くわすだろう。自分に根を置く社会観、世界観に。
リアルな社会で、リアルな労働の中でつかむもの。こいつが大事なのだ。口先民主の左のお誘いにも、チンピラ学園の右のお誘いにも乗らずに。
真っ当に働き、真っ当に痛い目に遭い。どんな時も自分に留まって。
そうすれば最低限、いっ時は拮抗できるだけのものが出来る。損得打算、既得権の磁場に。
既得権の磁場との拮抗。あんたも人もそうなる時。それは必ずある。この機をとらえて変革すればいい。そのために真っ当に生きることだ。やけになったり、バカなものに乗せられずに。
変革期が仮に来なくたって、得るものは必ずある。何ものにも代えがたいものが。
自分をはっきりとつかみ出すわけだからね。生命体の永いながい歴史に根ざした―。