一人ひとりに根を置くインターナショナリズム、その神髄

 この国の文化に、真理に至る階段は無い。

 ガリレオは生まれないということ。この土壌からは。

 それでも生まれ得る。ガリレオは。この地球の一辺境に。

 人ひとり生きている。

 これに根を置けばいいのだ。共同幻想・共同主観、腐った土とつるむのを止めて。

 大丈夫。どうにか暮らせるさ。真っ当に汗を流せば。

 人の暮らし。その根底が生む感性は変わらない。地上のどこにおいても。

 これに掉(さお)さすことが大事なのだ。真の創造のために。

 文化とつるむのを止めた時、あんたは間違いなく貧乏になる。人の世の仕組み上。

 それでもどうにか生きられるさ。真っ当に、ほんとにまともに汗を流せば。

 この時見えるものが大事なのだ。そうして生きるあんたの視野に。

 辛うじて生き抜くあんたの素地。人間の素地。

 こいつをつかめばガリレオになれる。あんたは。

 人類共通の人の情。こいつは確かにあるのだよ。心に素直に。そうして汗するあんたへの。

 この地盤が真の地盤だ。人類共通の真理の。


 共鳴共感、義理人情、人は並立、人はそれぞれ、人は誰でも造物主の共和制へ。一人ひとりに根を置くインターナショナリズムへ。


(付記)

 人類共通の人の情。それは、かつて誰かが言った「大衆の原像」。その本質と言ったっていい。

(付記2)

 「一つところを掘り下げて行けば、世界に通じる」。
 俺が昔出会った隠遁作家が、半ば意地で言った言葉は当たっていると今も思う。
 「自分自身を掘り下げて行けば…」。そう言い換えてもいい。