「最大公約数」はつまらない その2

 周りはどうあれ、摂理に対して正直・素直じゃないとものは作れない。これが職人気質の本質だ。好きで好きでたまらなくて打ち込んだ世界でも、同種のものが生じることがある。最大公約数的なものじゃ、これはつかめない。

 百姓にも町工場にも、この種の人は必ずいた。この種の人を感じるのが、楽しみみたいなものだった。