ナショナリズムの罠

 反米、反政府、反TPPや自己のアイデンティティの発見が民族的自覚のようなものに行き着く。この傾向がこの頃みられるように思います。

 これは一口に言えば、人が陥り易い巧妙な罠だろうと思います。

 愚かで浅墓な国家主義者(例えば今の首相)を批判するスタンスを取ながら、より抜け難いナショナリズムの渦に巻き込む。

 この程度の芸は、かつての軍国主義者や右翼にもありました。

 当時の自由主義者や左翼的知識人、そして気持ちが澄んだ若者達の多くもこの罠に陥り、体制翼賛から破局への潮流に加わってしまったわけです。

 この罠に陥ることなくより普遍的、実存的、人間的、生命的な価値や生き方に行き着くか。

 これは私達一人ひとりの実践上の課題なのだと思います。