(1)悪しき血をぶった斬る(初出 06/20/2007)


 俺の代で悪しき血を断ち切る。

 これが俺の死ぬまでの課題だ。

 

 18の頃は序の口だった。

 がらんどうな人生くたばっちまえと、あがき続けた20代は、結局血にゃ勝てなかった。

 30の時も無理だった。

 40過ぎて墜落しかけた。死にゃ、それまでだった。

 50過ぎて「こうなりゃくたばるでに」と、ようやく思うようになった。

 子達が育ったのが要因だろう。

 

 振り返れば反省ばかりだ。時間が戻るわきゃないが。

 親の馬鹿さを子に振り撒く。これほど愚かな所業はない。

 あの時俺がああだったら、馬鹿な苦労は背負わせぬものを。

 

 時間は過去には向かわない。思ったらやるしかないのだ。たとえ明日くたばるとしても。

 血を断ち切るとは、そういうことだ。

 人生上がりを気取るヒマなんざ、死ぬまでねえぜ。

 体当たりで生きねえで、どうやって自分変えられるんだ。

 闘争心忘れたら、クズだ。