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糞田舎で二束三文の銭もらい、俺はヒトの心意気描いてきた。
映像でも記述でも、伝記でも歴史でも、町工場の親父共の聞き書きでも。
こいつは間違っちゃいなかった。
心意気。こいつを失くしちゃ人間は、男は皆糞虫だ。
この手の仕事は、俺に沁み付いた習性だった。
それでずい分損もした。世は宦官共で成り立ってるのだ。組織社会は。
俺の名なんか探しても無駄だぜ。作るに夢中で名売るの忘れた孫請け野郎にゃ、名前は無い。宦官にゴマする、宦官未満のクズ野郎じゃねえ証しだぜ。
これからも、死ぬまで作るさ、腹決めて。
俺のために、家族の暮らしのために。
他にゃ何にもありゃしねえ。
俺は世界を作る。情念の。
俺がくたばった後、嫁さんが子の世話にならねえ程度の銭稼ぐために。
そん時ゃ銭出して見てくれや。銭にならねえ事実の羅列じゃねえものを。