クズ野郎

  「良心的」な田舎出版社の男と話した。出版ってのは、何故かたいてい「良心」が売りだね。


 「今は、何もしねえ奴が得する世の中」

 そう言ったら、ハアッ?て顔しただけ。

 クズ野郎。

「名辞の世界」しか知らねえクズ野郎のことさ。何かするってのは、否応なくその外側に身を置くってこと。こんなイロハも分からず数十年、無駄飯食ってきたクズ野郎。またはズルシャモ野郎。知っててちゃっかり名前(銭)に寄り添う。



 「反体制」でも「ゲリラ」でも、名のあるやつに食いつく。

 サブカルチャーなんて言葉がいっ時流行ったが、その手の流れの同類。


 ぶら下がってるだけ。口先で社会に。

 こいつらに共通するのは嗅覚だ。「おこぼれに与れねえかな」。



 「サブ」とはよく言ったもの。

 その昔の学生運動なるものの9割9分。それもこの手の奴らだった。10割って言ったっていいんだろな。「ひょっとしたら例外も」。この手の期待値ドブに捨てりゃ。



 持ち上げられつつ反対する。持ち上げられるのが、実はエネルギー。そいつの否定は死んでもやらねえ。バタついたところで、在りもんの世界の住人。



 「サブ」とはよく言ったもの。

 似て非なるもんが一番いけねえってのは、大昔からの言説。当たってるぜ。



 「俺は俺だ」で銭稼ぐ奴、腹決めて人こき使う奴はいいさ。

 この世の一番害悪は、良心的な面して貧乏人から掠め取る奴らだ。てめえの正体、知っても知らん振りしながら。



(追伸)

 そういやこの頃都会じゃ、「自費出版」が問題化とか。

 「イイモノヲ是非世ニ―」

 馬鹿と阿呆のからみ合い。

 田舎じゃとっくに廃れたぜ。ゼニ持ってる奴いねえので。