男は稼ぎのダイナモ。女は命のダイナモ

 二つ合わさり家族は成る。

 女は強さを選ぶ。命生むため、育てるため。

 善悪の彼岸。こいつは。


 強くなるしかねえさ。男は。ただし暮らしの生命力。上昇志向じゃ絶対にねえ。

 この違い、馬鹿な女にゃ死んでも分からね。今の世じゃ、馬鹿の向こうにたたずんでる、野菊のような子探すのは至難。いると思うけどね。


 男にだって難題さ。上昇志向か暮らしの生命力か。俺の知る「団塊」は、皆前者。家族家庭の解体、自業自得。


 青臭せえ俺に暮らし感じさせてくれた左は、吉本隆明ただ一人だった。職人の匂いする「知識」。「 」外せねえのは残念。そこまで文句言う筋はねえ。そっから先は紛れもねえ、俺自身の問題だった。

 
 俺が死ぬまでやるしかねえのは、稼ぎのダイナモ。文句言えねえさ。ダイナモこけて嫁さん遠ざかっても。夫婦という他人の関係。ここまで付き合ってくれただけで十二分。


 暮らしとの狭間でもだえる職人労働。これだけが真。俺にとっちゃ。

 こいつだけは子達に伝えるさ。でなきゃ、俺が生きた意味はねえ。