自分の側が負ける時(初出 9/02/2006)


 自分の側、自分の原形の側が負ける時。それは「見られている自分」に負ける時だ。



 人は自分をどう見るか―。余程夢中か、余程ばかでない限り、これは感じる。そこから先が問題だ。



 体力、気力が充実している時、この時は負けない。見られている自分を見ながらの自分が保てる。



 問題は体が疲れた時、気持ちが疲れた時だ。この時は危ない。こういう時ヒトは、それを嗅ぎ分け突いてくる。詐欺師は、この辺を一番良く知っている。



 乗せられる、やり込められる、不用意に迎合する。見られている自分が、勝手にドタバタ動き回るからだ。



 こんな時ゃ一歩も二歩も引くだけ。力めば「自分」にも、人にも負ける。ぼーっとやり過ごして、甘いもん食って寝るのが一番。



 



 一晩で治らないのは、自分の原形をどこかに捨ててしまった時だ。家に社会に、政治にはびこるケチな詐欺師に、簡単にやられる。