人や社会を語るとは…

               (初出 12/10/2006)


  自分に刀を向けない思想は、思想に値しない。



 人や社会を語るのは、自分の内に潜む同質のものにこだわるからというのは、分かりやすい自省だ。



 人は、自分の中に潜まないものは気にしない。気づかないか、ああそういうものかと、ろくに思いもせずにやり過ごす。



 気にするのは、自分の中に気なる何かが在るからだ。



 その何かを見つけ出すこと。それを、自前の心と感性で見つめなおすこと。



 このことが、スタートにおいてもプロセスにおいても、結果においても大事なのだ。



 これを欠く思想も哲学も呼びかけも、信じない方がいい。非難したものと同じ誤りを、必ず繰り返すからだ。変わるのはうわべの色だけ。内部の質も構造も、少しも変わらないからだ。