がらんどうファシズム(二)

    (初出 12/4 2006)


 この国の人々の大半は、「奉仕」は無償と思っている。



 だから誰も、ボランティアスピリットは支えない。



 カスミ食って生きる者などいないのだが。



 なので組織人や持てる者、二世三世以外のボランティアは、援助の「公」か、金をひねり出すユダを必要とする。



 何もかもごちゃ混ぜの、体当たりのユダ達。あの雪国のオヤジなどは面白かった。 



 だがユダは毎度血祭りに。「金」とは何かをつき詰めることのない、無自覚の特権者達によって。



 金は、蛇口をひねれば出るのが当然。間違っても自腹は切らない。この種の「生活者達」が身を寄せた、この国の民主主義、カクシン。



 理念ががらんどうなのか、掲げた者達のせいなのか。泥まみれの旗を拾う者はいない。



 こうして「奉仕」は、「公」のひも付きばかりに。