日々の糧(仕事の話)

振り向けば、悔し涙の味がする  二つの「仕事」 (その二) 更に力むきっかけは―

(初出 1/05/2007) 力みが原因で窮地に陥ることの多い私が、肩の力を更に抜けなくなったのは、十六年前のある出来事がきっかけだった。それは昔取った杵柄のままに、ローカル局の孫請け仕事をしていた時のことだった。 私は当時、ローカル番組の構成兼取材…

振り向けば、悔し涙の味がする  二つの「仕事」 (その一)

(初出 1/02/2007) 散文的なものを書こうと思ったら、こんなタイトルになった。そんなにナイーブでも、純真でもないのだが。気持ちはそんなところだったという程度に見てもらえればと思う。 仕事には、二つの種類がある。自分を振り返ってみて、そう思うし…

仕事(初出 10/21/2006)

昔、地方出版社なるものと関わった頃。 編集者の肩書きを一応持つ者が私に、「原稿が遅い」と嫌味を言った。 後になって分かった。他の書き手は、言われたことをそのまま、まとめるのだ。 自分なりに飲み下して書く。このプロセスがなければ、それは早い。 …

(1)始まりはお前だ(素人カメラマン N)

(初出 6/30/2006) もう20年ほど前のことだ。その頃私は仕事の一つとして、ローカル局の番組作りを請け負っていた。それについては様々な記憶があるが、今はある人物の思い出を記してみたい。Nはカメラマンだった。というよりも、カメラマンの資質を持った素…