差別社会の淵源

(初出 08/19/2006 やめちまったサイトより)

もう十数年前の話。医者のミスで寝たきりになった、その子を抱えて闘う男の闘争記を書いた。 悲惨な状況、何かを恐れ近づかない地元マスコミ、怠惰な弁護士、駄目裁判官…。悲惨な歩みと人物の孤独に共鳴し、ほかの仕事そっちのけで取り組んだ。 だが本は出な…

メジャーリーグの容赦ない(?)首切り、トレードを見て、「寂しい」などというニッポンの野球人は結構いる。 厳しいトレーニング乗り越えてきた人々の言だから、言うことに意味がある? ココロが分かる? 人情味がある? 娑婆で、日雇い労働で見てると、メ…

「悪意」を生むものは―

(初出 12/09/2006) 地域の「自治」会の張り紙に、「この頃ぶっそうです。お互い不審者に目を光らせましょう」とあった。 馬鹿者達の所業。 「十年前と変わらない」。それを言っても、右から左へ。 都合のいい所だけ耳に残す。そして風潮に心を重ね合わす。…

「子供」の世界

(初出 11/25/2006) もう十何年前のことだが、ある変人に出くわしたことがある。彼は自分がこれから作る会社に私を誘い、返事もしないうちに断ってきた。別に、私について負の情報などを仕入れたわけでもなさそうだった。 しばらく関わる中で分かったのは、…

「インサイダー」てなもんで、誰がいってえ驚くってのか。 そういう街じゃねえか。東京ってのは。 お仲間同士の耳打ち話がステータスの、利権の街。 学歴がすべて。コネがすべて。そこと結ぶ序列がすべての、腐れの街。 既得権はちゃっかり確保。「再挑戦」…

馬鹿にしちゃいけねえよ

同じ国営放送に、10年前に潰れた「大手証券会社」の者達が出てた。 「いい経験でした」 馬鹿にすんなよな。 鼻水垂らして泣いてた社長も、どっかの社長にまた収まってるとか。 馬鹿にすんなよな。

「天国と地獄(HIGH&LOW)」

(初出 8/10/2006) 何年か前、子の引越しの手伝いで本物の「山の手」に行った。その界隈は一葉、漱石ら文人の住む街だったと聞いた。 収納が足りないというので、私は表通りにたん笥を買いに行った。見つけた小さな家具店の主は、客と親しげに話をしていた…

重ね合わせる人々  (初出 8/19/2006)

土地のかつての産業家の家に行った。都会に出てだれも住まなくなった家を、子孫は資料館にした。 館内には、隆盛を誇った何代か前の人物の資料が展示されていた。中に明治の元勲なる人物と彼の、交遊の品々があった。展示の目玉だった。 地方史のたぐいで反…

 老いと「みんな」の側 (初出 8/18/2006)

人は老いると「みんな」の側に付く。 父はソーシャリストだった。一応という修飾語は付くにしても。長兄も若い時はそうだった。これも一応だが。 父が死んだ時、長兄は勲四等か五等かの勲章を探し出して、祭壇の真ん中に置いた。弔辞の時、読み上げる者は中…