2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

(1)悪しき血をぶった斬る(初出 06/20/2007)

俺の代で悪しき血を断ち切る。 これが俺の死ぬまでの課題だ。 18の頃は序の口だった。 がらんどうな人生くたばっちまえと、あがき続けた20代は、結局血にゃ勝てなかった。 30の時も無理だった。 40過ぎて墜落しかけた。死にゃ、それまでだった。 5…

(2)流行語の効用(初出 07/16/2007)(一部改訂)

昔俺が学生の頃、自己否定という言葉が流行った。 それは流行語だった。今となりゃ、言った奴も覚えちゃいねえだろう。 俺は真面目に考えた。その通りと。 自分をがんじがらめに絡めとる枠組みの否定。その種の幻想の否定。 こいつは俺にはしっくりだった。 …

(4)母さんの歌(初出 08/03/2007)

母さんが夜なべをして 手袋編んでくれた 木枯らし吹いちゃ 冷たかろうと… この歌は、昔の歌声運動とかの中から生まれた歌だ。 どこかロシア民謡風なのも、そのせいだろう。 作ったのは、左翼運動に身を投じた青年とか。 戦時下の疎開の記憶をもとに、自分の…

 (4) 歌の危うさ、面白さ (初出 8/04/2007)

生家には昔、色んなレコードがあった。 投げるとフリスビーのように飛び、地面に落ちると粉砕するSP盤・78回転のやつだ。 中身は色々だった。戦前・戦時下に売り出された軍歌、流行歌、民謡。発禁だったに決まってる地下共産党の歌も混じってた。昔の田…

(3)親が威張る家は…(初出 07/07/2007)

親が威張る家は、子が可哀想だ。 子は逆立ちしても、「親以上」にはなれない。自由への道も喪う。一生さまよい歩く。でなければ生涯、馬鹿を気付かない馬鹿で終わる。 その種の家は、親は愛情を装ってヘンな理想型を、神を掲げる。実は自分を飾るため、誤魔…

(2)「家」と女 (初出 07/05/2007)

「家」と癒着した女。 これほど強烈なものはないという印象を、この頃あらためて持った。 自家の家系を保つために、相手を探し結婚する。はっきり言っちまえば、そのために男を引き込む。 その家の観念、価値観、思い込みと癒着する。そこの意識に根を置いて…

(1)上昇志向と向上心 (初出 07/15/2007)

上昇志向と向上心。 こいつは、似て非なるものだ。 上昇志向は、幻想の枠組みを上り詰める意識。向上心は、自分に向けた感性。 こいつは大抵絡み合っている。そして誰もがある時、踏み絵を踏む。 俺は、私は、どっちに軸足があるのかな―。 例えば、仕事への…

(3)「やりゃできる」(初出 07.7.18)

田舎の高校の本を作った時。 その頃もう70幾つの、元教員の親父と話した。 戦時下、東京の麻布中から疎開で転校して来たという親父は、そのままここを卒業し、教員になってからはこの母校で進路指導を担当したことがあったとか。 「今の若い教員は、偏差…

(2)凝集力(初出 07.7.14)

人生を振り返って大事と感じるものに、「凝集力」がある。 集中力と言ったっていいようなもんだが、自分の体や感性の力を一点に集めるという意味で、凝集力と言った方がすっきりする気がする。 気持ちを集中させるのが大事というのは、何においても感じるこ…

(1)魂と共和制(初出、07.7.28)

雑文でも、殴り描きのスケッチでも、荒削りの彫像でも何でもいい。 そいつの魂の反映なら。 生まれついての、身についての魂を失わない。 こびり付く娑婆の殻をぶち破る力を失わない。 そいつが何より大事なのだ。 こいつは疲れる。エネルギーが要る。娑婆の…

(4)三島と東京人(再録)

キーンとかいう日本文学の研究者だったと思うが、三島由紀夫は「本心が無い」という言い方をしていた。 はっきり言っちまえば、自前の情感が無いということだろう。 三島は、松といえば盆栽の下がり松の形をしたものだけが松と思い込んでる、とも言ってた。 …

(3) 腹の立つ東京人

東京人ほど腹の立つ奴等はいない。 汗を流さず、何かの上に乗っかる。それを当然と思う。 立ち回りの嗅覚だけの者達。 自分を自前の感性で、全的に感じ取ることのない者達。 出来合いの形の上に乗っかって平然と対価を、不労所得を求める者達。 こいつを、こ…

(1) 本性と観念(再録)

本性は自分で探り当てるものだが、観念はお仕着せだ。 こいつは、はっきりしてる。 本性を他人に教えてもらったら、そいつは観念だ。 経験など、何かをヒントに直覚するしかないのが本性だ。 俺が知識は無駄じゃないというのは、こいつと絡む。 理論や知識と…

(2) 暮らしと切り離された思想は虚偽だ

暮らしと切り離された思想は虚偽だ。これははっきりしてる。 できないことを言う。していないことを言う。身近な者をしいたげているのに、人権を言う…。どれも同じだ。 言行一致の完全なヒトはいない。だが「人生と思想は別」で暮らす者達は、害毒を撒き散ら…

心は海(初出 07.8.8)

人の心は、境界も堰き止めるものもない一つの海だ。 生まれついての感性の海は、断片化されてはならない。 全体で感じ取る。こいつが知覚のベースだ。 真理を装う断片に踊らされることも無く、 全体を、神を装う観念に、たぶらかされることも無くなる。 神は…

思想の基幹(初出 07.8.9)

思想の基幹は人間だ。 当たり前だが、案外当たり前じゃない。 人間を装い、組織や因習を掲げたものは多い。 長老掲げる部族国家の思想。明治以来の日本の国家主義、保守思想は一亜種だ。 キリスト教がベースの思想も、こいつの殻を尻にくっ付けてるはずだ。…