思想・哲学・宗教(自分とは)

経験が大事。こうなると、いつも爺いばかりのさばる―というのは大いなる誤解だ。 経験で大事なのは、経験する主体。自分なのだ。 経験の受容器としての自分。主体の自分。自分とは何か。 こいつはっきり感じるのが、一番大事なのだ。こいつが経験論の核心だ…

無意識を、恐怖の側に追いやるな(追補)

(初出 03/20/2007 やめちまったサイトより) 子どもの頃。あれはインフルエンザだったかお多福風邪だったか―。高熱にうなされて、変な夢に取りつかれたことがある。 俺の頭上で、誰かが見下ろし高笑いしてるのだ。俺はといえば、夢の感覚なので言葉で言えば…

 無意識=共和制のルーツ

(初出 03/18/2007 やめちまったサイトより) 無意識を奪取されるな。 無意識は自分の魂そのもの、体そのものだ。 不安、怯えは、無意識の闇からやってくる。自分の空虚への警告として。 自分を振り返ればいいことだ。自分で埋めればいいことだ。 脅迫に屈し…

三人の共通点。そいつは勤労の、労働の匂いするってとこだろ。匂いだけってとこあるが。ほんとに働きもんだった奴、そうじゃねえ奴はいるが。 汗の匂い。労働者の匂い。場末じゃねえ下町の匂い。下町の匂いってのはマルクスからしなかった。職人労働者の感性…

俺は、戦後の民主の喪失といえば、当面は教育基本法の改悪と相続税の緩和だと思ってる。 法も社会も面白えもんで、ばらばら別々に動いてるようで、ぼ〜っとした所でつながってる。ぼ〜っとして見りゃ、そいつはよく分かる。 どうぼ〜っとつながってるか。現…

政治って奴は誰がやっても、個々の喜び悲しみなんざ救い切れねえ、十把一からげの大なただ。 何やってもどっかで線引き、ぶった切るしかねえ。 例えば医療費。年寄り増えて医療費かさむのは、当たりめえだ。いってえ誰が面倒見る。現役世代がアカの他人の親…

勤勉って言葉好きじゃねえが、ほかに浮かばねえので使う。 俺は、人は勤勉じゃなきゃいけねえと思ってる。何かを生み出すにゃ、嫌でも時間をかけるしかねえ。そうしねえと何も作れねえからだ。現実に。 本気で何んか作ろうと思や、八時間労働もクソも無くな…

これを言ったのは、俺の田舎の教育の仕組み組み立てた、ある人物だ。 明治の前期、1880年代にこの県の教育の仕組み作った男。ある旧制中学の歴史掘り返した時に偶然出くわした、今となりゃ歴史資料の整理屋ぐらいしか覚えちゃいねえ人物。 「優秀な教員…

  (初出 09/15/2006 やめちまった所より)

人が喜んでくれる。誰かがきっと見ていてくれる。人のため、世のため。 この感覚は自分を誤る。 人は自分のために生きる。自分の世界のために。無意識も含めた自分のため。体感のため。 頭が勝手に動き出す前に、他人にかき回される前に、ぼ〜っと感じる自分…

俺が学生だった頃、『あしたのジョー』という漫画が流行ってた。 当時俺は、この漫画の面白さは原作だけじゃない、ちばてつやという漫画家が描き出す画の力だと、勝手に思い込んでいた。思い込みは当たってたんだろうと今思う。 ちばてつやの漫画の面白さは…

体が感じ始めるまで、思わねえのが一番いい。 体が語り始めるまで、言わねえのが一番いい。 俺は、こいつで一番苦労した。今もだ。 未熟ってのは、こういうの言う。幾つになっても。 頭は、気の利いたこと言いたがる。やりたがる。嘘っぱち、必ずどっか含ん…

 信心

(初出 05/21/2007 消しちまったサイトより) あんたの家は、信心はないね。 これも妻の口ぐせだ。 ああ、そうだよ。 そう思うから、そう答える。 もう死んじまった両方の親を見ても、そいつは思う。 俺の親父は、はた目は一応見栄えした。中身もそれなりの…

俺は、良心の仲立ちの神ってのは、ありと思ってる。 人の心の仲立ち・触媒。触媒は強要しねえ。 ただ在ることに意味の神々。この手の神にケチ付けるいわれはねえ。 ほんとに生きてる信仰ってのは、地上どこでもそんなもんだろ。上っ面、神の名前どうでも。 …

俺の家は、嫁さんの稼ぎの方が多い月が多々ある。というか、そういう月の方がずっと多い。 実入りはどっちもケチなもん。両方合わせてやっと暮らしてる。 嫁さんは暮らしに、俺の金優先して使う。俺の金だけじゃ暮らせっこねえから、毎月俺の金は全部消える…

沈黙っては、無意識の世界感じるのとイコール。 こいつは昔の人はよく知ってた。 若い頃、俺は薩摩の西郷さん好きだった。他人尊敬するのはよくねえって気付いてやめたけど。今だって嫌いなわけじゃねえ。 わが胸に尋ねるべし。こいつよく分かってた人だ。 …

村下孝蔵ってのは、どこの田舎にもいるいもねえちゃんが喜んで聴く歌だ。 てえことは俺も、俺の中に残る―てよりも隠してた、いもにいちゃんの感覚で聴いてるってことだ。 素直ってのは大事だ。人ってのは誰だって、どこにもある景色の中から浮かび上がってく…

沈黙の意味 その四

言葉以前の世界たどると、自然に行き着く。この国の自然に。 馬鹿言っちゃいけねえよ。汗水垂らして働かねえからさ。すがるからさ。観念坊主が自前の肉体忘れて。 価値の源ってなんだ? 口先だけじゃねえ愛情って何だ? 働けや。単純な事実だ。

沈黙の意味 その三

人間ってのは弱えもんだ。 どうしても神を欲しがる。自分に命令してくれる根拠。納得させてくれる根拠。 俺はガキの頃、神社が大好きだった。裏山の神社の鳥居、お守りに書いて持ってた。小学1、2年の頃だったか。不安だったってことだ。 不安って奴。こい…

俺は、ムラというものがいいものだったとは思っちゃいねえ。良くも悪しくも「トータル」なこの世界は、息が詰まる世界でもあったからだ。因習が支配する、百年一日の、にっちもさっちも行かねえ世界。だから若者達は「明るい外界」を目指した。学生という、…

中央集権の虚構に乗っかり、虚構支える仕組みに乗っかり 汗を知らず、真の努力を知らず 自分を虚妄で飾り、省みず 勝手に「下界」見下す愚物達。 自分ちょろまかす立場とゼニ。こいつに裏付けられりゃ、虚妄も実体かい? お前らが田舎モン見下すのは、在野見…

若い頃の吉本隆明にゃ真っ当な勘、または体感があった。 その一つが中野重治の小説『村の家』の感想だ。俺の記憶だけの記述だが、そのまま書く。 特高にパクられ、左翼から転向して北陸の田舎に戻った主人公(多分中野自身)に、郷里の村の家に住む父親は言…

国営放送のBSとやらで、西欧追随植民地主義ニッポン追っかけた番組見た。明治維新から大正期までなぞった番組。 俺に「大アジア主義」思い出させてくれたので、文句はつけねえ。次の一点除いて。 肝心かなめのこのクニの民衆が、人民がまるで出て来ねえじ…

そうさ。思想はペストさ。当たりめえじゃねえか。 机の端の印肉の中に、押入れの隅っこに潜んで、ある日突如暴れ出す。 孤独の種ってことさ。多数決じゃねえってことさ。それが思想。 「上昇しちまった庶民」って奴で、思い出したんさ。 この手の奴ら見て転…

そんなもん、別にいつだって一緒だろってのが結論だ。 それでも俺にゃ、一つ感じるものがある。 「知性」がいつの間にやら後ろめたさ捨て、恥じらい捨て、大手振ってのさばり出した時期だ。 こいつは確かにあった。俺が生きて来た時代の中に。 知性ってのは…

断るまでもねえが定義ったって、俺はそうだと言うだけ。ひとり言。 近代文学を自意識のドラマとか言うやつがいるが、ほんまもんの糞とはこういうのを言う。 自意識ってのははっきり言って、人に見られてる自分を意識するってことだろ。 人がどう見るかっての…

労働者の怒り。 こいつは本気で生きた者じゃなきゃ、分からねえ。 簡単な話だ。本気で生きたことねえ者に、本気で働いたことねえ者に、本気で作ったことねえ者に、疎外の怒りが、疎外された者の怒りがどうして分かるってのか。 労組のダラ幹の怒りは、「被害…

俺は、闘争心ある内は俺で居られる。 闘争心で何と闘う? 誰と戦う? 「俺」と闘う。括弧付きの俺と。 人間、怒りを燃やすのは、括弧付きに対してだ。 こいつは許しちゃおけねえ。放っちゃおけねえ。 最たるものは、括弧付きの自分。 他人に怒りを向けるのは…

頭に来ねえ俺が、俺を救う。 こいつは俺の人生の、二十歳の頃からの主題だった。というより、一〜三歳の頃からの主題だった。 意識が心に芽生えた頃からの。 ヒトはそのための格闘を、ヘタすりゃ死ぬまで続けることになる。 先日も馬鹿なことしちまったなと…

「子供達、お父さんお母さんご苦労さんって、お歳暮か何か送って来ないかしらね…」と嫁さん。 半分冗談で、半分そんな気がするんだろう。 しっかりするしかねえなと思うのは、こんな時だ。 日雇い、日銭、明日のことは分からねえ、その日暮らしに根性入れて…

「思いなんて誰も持ってる。表す力あれば、文章家とか芸術家なんかより何倍も膨らんだもの作れる人、世の中にいっぱいいると思う」 これは嫁さんの言。義母の遺品を整理して拙い俳句を見つけた時、言ったことだ。 言うに言われぬ思いを抱え、日々暮らす人々…